サイエンスCGクリエーターから医療CGプロデューサーへ(NHK WORLDで特集されました)

昨年、2015年6月頃から半年以上、ドキュメンタリー番組の密着取材が続いていたのですが、この度ようやく番組が完成致しました…!

NHK WORLD RISING
Transforming Medicine Through Computer Graphics
Medical Computer Graphics Producer – Hirofumi Seo

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…そうです、30分間のドキュメンタリー番組なのですが、全部英語!!

2013年1月に放送されたTBS「夢の扉+」以来、実に3年ぶりのドキュメンタリー番組となります。

3年前のTBS「夢の扉+」のときには「気管支」を中心に取り上げて頂きました。

その後ずっとなかなか先に進めることが出来ず、自分でも歯がゆい気持ちだったのですが、昨年あたりからようやくですが気管支の取り組みを進化させることが出来るようになりまして、それについても採り上げて頂いております!

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今回の番組の軸は「肝臓」。番組内で詳しく紹介されておりますが、この1年間、ずっと肝臓についてお仕事をさせて頂いております!

また、これまでは主に映像制作をメインにしておりましたが、最近ではUnityやUnreal Engineなどの普及もあり、リアルタイム・インタラクティブにグリグリ動かせるアプリ、ソフトウェアの開発に徐々に軸足を変えていっております。

3年前と比較してどれだけ進化出来ているかどうか…。

昨年8月のアメリカLos Angelesで開催されたSIGGRAPHにも取材班が同行して下さいました

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世界配信は2月4日に行われたのですが、今晩、2月8日(月)の真夜中3:20~、NHK BS1にて国内でも放送されます

NHK BS1 RISING「医療CGプロデューサー 瀬尾拡史」

今回を機に、自分の肩書きを「サイエンスCGクリエーター」から「医療CGプロデューサー」に改めました

まず、「サイエンス」→「医療」への変更。

3年前は、自分が一番得意なのは医学・医療だけれども、それだけに限定せずに物理や化学なども含めて幅広く「サイエンス」についてのCG作品を作りたい!と思っておりましたが、3年経ってみると、やはりそうは言っても自分の一番の得意分野が仕事をしていて最もしっくりくるし、完成レベルも高くなりますし、実際、仕事もほぼ全て医療関連でした。

「サイエンスCG」は、何よりもまず、CGではなく、題材となるサイエンスの内容を知っていることが最も大切で、やっぱり自分が一番理解出来るのは医学、その中でも、高々2年間だけではありますが病院での医師経験があることもあって、医療だなぁ、と自分でよくわかりました。

なので、限定することにはなりますが、「サイエンス」→「医療」にしました。

次は「クリエーター」→「プロデューサー」。

テレビや雑誌などで採り上げて頂けるのは大変にありがたいことなのですが、個人で採り上げられることがほとんどでして、その場合に「クリエーター」と言ってしまうと、ほぼ全て私1人で作品を仕上げた印象がどうしても強くなってしまいます。

デジタルハリウッドでCGを学んでいた2006年から、裁判員制度関連のことをやっていた2009年頃までは、確かにほぼ全て1人で作ることがほとんどだったのですが、それ以降は、もちろん私も手は動かしますが、自分1人で全部やり遂げた作品はほとんどありません。

と、申しますか、嬉しいことに、1人で仕上げるのは到底無理な規模になりました

メディアでは紹介されないけれども一緒にやって下さる方々がたくさんいらっしゃって1つ1つの作品が出来上がっておりますので、「クリエーター」と名乗るのは良くないと判断しました

しかし、「ディレクター」か「プロデューサー」かでとても迷いました。と、言うのも、いまはアートディレクションこそ私の手を離れていることがほとんどですが、シナリオ作成、ナレーション原稿作成、大雑把なカット割や画面構成などは今でも私自身が作りますし、レベルは高くないですが自分でもちょっとしたプログラムも書きますし、ナレーションレコーディングや音楽の収録現場には必ず私自身が立ち会っているからです。
すると「ディレクター」のほうが良い気も致しまして、特に日本語で「プロデューサー」と言った場合には、スケジュール管理とお金の管理をする人、という印象がどうしても強くなってしまうのですが、英語では「プロデューサー」と言った場合に日本語でいうところの「ディレクター」的な意味も、全てではありませんが含まれますし、日本語の「プロデューサー」的なこともしておりますので、総合的に鑑みて「プロデューサー」としました。

というわけで、今後とも医療CGプロデュサー瀬尾拡史をどうぞよろしくお願い致します

とりあえず、あまりにも急過ぎますが、今晩、真夜中のNHK BS1をご覧頂ければと思います!

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2015年総括

また1年が終わってしまいますねぇ。
今年はやはり何と言ってもSIGGRAPH, SIGGRAPH ASIA両方とも初参加にして受賞者 or 発表者としてデビューしたのが自分でも驚きでした。どっちも英語。当たり前だけど。

去年までは1ヶ月後とのまとめを書いていましたが、今年は全体的なことを。

会社的には、やっぱり何といっても新しいメンバーが加わってくれたことで、出来ることが一段と増えました。
それもあってか、自分の頭の中も、「綺麗でわかりやすい医療CG映像を作ること」から「臨床現場で本当に役立つ、3DCGの強みを最大限に活かした本格的な医療用ソフトウェアを作ること」に夢が変わりつつあります。

デジタルハリウッドに通い始めたのが2006年1月なので、かれこれ10年も経つわけです。
その間にスキル面での成長はもちろんありましたが、技術自体が目まぐるしく進歩しているのでスキルを成長させるのは当然として、「周りは自分のことをどうみているか」「医者はどんな思考回路で物事を考えているか」みたいな、経験でしかわかり得ないことをだいぶ吸収できて来たのではないかなぁと思っています。

ちなみに技術の進化で言えば、10年前はMayaは6.5でnDynamicsは存在せず、デジハリの授業でMental Rayは最後の1回だけおまけみたいな感じで習っただけで、画面はSDサイズで、ZBrushなんて聞いたことなかったし、UnityもUEも全く知りませんでした。iPadが発売されるのはまだ随分と先の話で、まさか誰もが普通に持ち得るタブレット端末でグリグリとリアルタイムに3DCGをいじれるなんて、思ってもみなかったわけです。

僕や、サイアメントと一緒に働いてみたい、と言ってくれる若い人たちも現れてきてくれたりして、とても嬉しいと思う一方で、そんなときにすぐに受け入れられる会社規模になっていなきゃダメなんだよなぁ、とか、本当はアカデミックの場に軸足を置いておいたほうが良いのかなぁ、でもどうすれば良いのかなぁ、とか、ちょっと昔であれば考えもしなかったようなことを考えられるようにもなってきました。

医者辞めてからもうすぐ3年経つわけですが、時が経てば経つほど「治療成績を少しでも上げるような、手術時間を少しでも減らせるような、検査手技を少しでもスムースに進められるような、役に立つ3DCGを作りたいなぁ」と思う気持ちが強くなってきまして、もはや医者ではないのに「心は医者です」みたいな雰囲気になってきております。偉そうですね、とても。

2016年は、そんな新しい夢に一歩でも近づけるように出来ればなぁと思います。出来れば十歩くらい近づきたいのだけれども。


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