卒業しました。

 本日(2011年3月25日)、学位を頂き、東京大学を卒業しました。
 東京大学理科III類、および医学部医学科での6年間の学生生活が終了しました。
 期間としては中1~高3と同じ6年間でしたが、大学生活の6年間は中高の6年間とは全く違ったと思います。
 周りの人に何と言われようがひたすら自分の信念を貫き通した、そんな6年間でした。
 中学2年生のとき(1999年)に見た「NHK驚異の小宇宙・人体III」に心の底から感動し、自分の手でこれを超えるような番組を作りたい一心で、学術的に正しい映像を作るために必要な知識、医師・患者さんが映像として求めているものを自分の目で6年間かけて見つける目的で東大理IIIを目指しました。
 「その動機は、医学部志望動機としては好ましくない」
 「患者さんを助けたいと言う強い意思が無いのに医学部に入ろうとするなんて不適切」
と言う意見があることも十分わかっていますが、それでも自分の夢を実現するためには東大でなければならない、医学部でなければならないと思っていたので、自分の意見を曲げずに最後まで東大理IIIにこだわり続けました。
 入学してまもなく、3DCGを学ぶために専門学校とダブルスクールすることを両親がサポートしてくれたこともあり、東大が本来目指している教養過程2年間の意味合いからは全く外れてしまうかもしれませんが、ここでも自分の夢の実現のため、と自分の意見を曲げず、最初の半年間で月曜1限~金曜5限まで全て何かしらの授業を履修し、全ての試験を受けて、進級に必要な選択科目単位を全て取得しました。
 最初の半年で単位が揃ったことで環境が整い、1年生の冬からはデジタルハリウッドとのダブルスクール。卒業制作で優秀作品に選ばれなかったら自分の才能・スキルが無いことを自ら証明してしまうことになる、と自分に言い聞かせ、「何としても優秀作品に選ばれること」を目標に約1年間過ごしました。
 3年生になって本格的に医学部のカリキュラムがスタートしました。このとき、「卒業までに東大医学部と協力して、医学CGで大きな実績を残すこと」を自分の目標にしました。
 素晴らしい巡り合わせによって、東大法医学教室の吉田謙一教授との出会いがあり、最高検察庁にて自ら裁判員制度での3DCGの有効活用を訴えることが出来ました。
 この頃から「卒業までに医学CGで東大総長賞を取ること」も目標の1つにしました。親や一部の友人には、出来るかわかるはずもないのに勝手に宣言しました。
 結果、4年生のときは選考で総長賞推薦を受けることが出来ませんでしたが、5年生では日本初の裁判員裁判で使用された、遺体の状況を説明するための3DCG画像を制作することも出来、マスコミにも大きく取り上げて頂き、東大総長賞も受賞させて頂くことが出来ました。
 また、3年生のときにはこれまた素晴らしい巡り合わせによって、アメリカで医学CG(medical illustration)教育を約100年間に渡って行っているJohns Hopkins大学の学部長であるGary Lees先生に日本でお会いすることが出来、「2年後、大学5年生のClinical Clerkshipと言う制度を利用して、先生の大学にどうしても留学に行きたいです。よろしくお願いします。」と勝手に宣言し、2年後、本当に実現させることが出来ました。
 そして大学生活6年間を通しての目標として、
 「授業は全部出席すること」
 「絶対に追試にならないこと」
を掲げました。これも達成できました。(前者に関しては、出席はしたものの、講義中に寝てしまうこともしばしばありましたが…)
 今日、医学部4年間の成績証明書を受け取ったのですが、
 優 49個、良 9個、可 3個、不可 0個
と言うことで、良くはないけど悪くもないレベルには到達出来たのではないかと思います。
 最後の医師国家試験にも何とか合格出来、終わりよければすべてよし、でしょうか。
 …と、だいぶ特殊な信念で6年間を過ごしました。
 自分の軸をぶらさずにここまで出来て本当に良かった。
 でも、自分の夢の実現のために犠牲にしたこと、出来なかったことも多かったように思います。自分の性格も大きく関わってきますが、遊びと恋愛については完全に赤点。誰がどう見ても赤点でした。
 それも含めて自分らしさ、と捉えるしかありません。
 4月から本格的な研修医生活が始まりますが、もう残り数日しかないのに確固たる目標をまだ決められていないことにやや焦りを感じています。
 学生から社会人へ。自分の人生が大きく変わります。この大きな変化に適応するのには、少し時間がかかりそうです。
 大学生活6年間で出会い、支えて下さった皆さん、今まで本当にありがとうございました。
 今後ともよろしくお願い致します。


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卒業しました。 への4件のフィードバック

  1. ファンワークス 高山 のコメント:

    お疲れさまでした。
    お体にはご自愛くださいませ!

  2. グエル鈴木 のコメント:

    夢を具体的な目標に置き換え、着実にステップを登ってきたことがよくわかります。
    今後が楽しみというか、末恐ろしいというか・・・(*^_^*)
    活躍を期待しております。
    今度会うときは、「瀬尾君」ではなく「瀬尾さん」と呼ばなくては。

  3. White のコメント:

    >ファンワークス 高山さん
    ありがとうございます!医者の不養生にならないよう、身体に気をつけながらも、これからも全力で頑張っていきたいと思います!
    >グエル鈴木さん
    ありがとうございます!
    ちょっとした努力で出来てしまうものは目標ではないと思っておりますので、超頑張ってもギリギリ出来るか出来ないかわからないものをこれからも目標にしていきたいと思っております!

  4. むらやん のコメント:

    ほ~っ!!
    久しぶりに見たら・・・卒業なのですね。
    早いものですね。もう6年経ちましたか。
    このブログを立ち上げられた当初から、たまに訪れていました。
    最近、若いドクターを見ると・・とても患者目線で対応されている方が多くなったことです。
    というのは、相手に対して説明する。という概念が定着してきたということです。
    Aという説明をして、患者は納得してくれるか。という自答自問していくことによって、相手にとっても自分にとっても、最良の結果を生み出すことができると思います。
    がんばってください!!

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