基礎統合講義

 昨日(2月5日)は自分が中心になって企画・準備に半年以上費やした講義の日でした。
 「基礎統合講義」と言って、学生が講義テーマを自由に設定して、お呼びする先生も学生が選んで、先生への講義の依頼や、講義当日までのやりとりの多くを学生が行うという、好奇心溢れる学生にはとても魅力的なシステムです。もちろん、東大の医学部の先生が1人、責任者のような形でサポートはしてくれますが。
 今週一週間が全て基礎統合講義で、今日はその2日目。
 「見る」と言うテーマで、学生委員代表をさせていただき、解剖・形態学・分子・蛍光色素・人工視覚の分野から各1名ずつお呼びしました。
 あまりメールを下さらない先生もいらっしゃって、今日本当にお越し下さるのか心配な先生もいらしたのですが、どの先生も素敵な講義をなさって下さいました。
 個人的には蛍光色素の先生の研究スタイルに最も興味を惹かれました。
 その先生は、研究費を得るのに大学や国を使うのを極力避けるのがモットーらしく、自分が行った研究のうち、幅広く様々な研究に応用できそうなものに関しては特許を取り、特許料で研究費を稼いでまた新たな研究に取り組むのだそうです。
 研究者はどういうわけか、特許に抵抗を感じる方がいらっしゃるのですが、自分が苦労して作り上げた、または発見したことに対して特許を取得するのは、別に独占とかそう言うことではなく、正当なことだと思います。
 そうして得た特許料でまた新しい発見に繋がる研究が出来るのであれば、そのほうがずっと将来のためになるでしょう。自分で得たお金であれば自分の好きな研究を心おきなく行うことが出来ます。他人から与えられたテーマで研究するよりも何倍もモチベーションも高く、価値ある結果が得られることでしょう。
 解剖学の先生も、自分が目指しているものに近い考え方をお持ちで、今度研究室を訪ねても良いことになりました。楽しみです。
 さて、この授業、一応僕の学年と一つ上の学年は必修で全部で200人いるはずなんですが、単位にならないことと、出席の取り方がとても甘いことをいいことに、出席者は60人ちょいくらいだったでしょうか。
 効率的、と言えばそうなのかもしれませんが、僕はそういう人たちは好きじゃないです。
 もっともっとずっと嫌いのは、実は今日は部活の部長の先生が講義をなさるのですが、昨日の部活で「明日は○○先生の講義だから早起きして行かなければ~」とか言ってた連中。
 とりあえず一仕事終わって一安心。
 んで、今日は基礎統合講義の3日目。今日のテーマは「免疫寛容」。部活の部長の先生とは、今までは納会でしかお話ししたことがなかったのですが、とてもエキサイティングな授業で楽しかったです。自然と講義に吸い付けられていくような、そんな授業でした。
 が、問題は午後の授業。
 なんと、基礎統合講義史上初、海外から先生をお招きしました。先生も、この1時間半の授業のためだけに昨日わざわざニューヨークから飛行機でいらしたそうです。
 熱い…
 当然授業は全部英語。
 その授業を通してよ~くわかったこと。
 僕は21世紀の英語の時代を生き抜いていけないようです。
 最初は英語もゆっくりで、自分が知っている内容でもあったので何とかなったのですが、実験のデータや新しい仮説が出てきたあたりからはもう意味不明。単語の断片だけ聞き取れた感じ。
 悲しくなりました。
 でも、友達の何人かは、流暢な英語で普通に質問して、先生と討論していました。
 世界が違いますね…
 英語…
 英語…
 英語…


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基礎統合講義 への3件のフィードバック

  1. なな のコメント:

    授業のこと、読ませていただくの楽しみです。ありがとうございます。
     英語ね。英語で苦労した私なので、
    やっぱり、書いちゃいます。
    気にしないで、今からも頑張って下さいね。英語(言語)は、下手なたとえですけど、富士登山で言えば、下から頂上までいくんですけど、境遇によって、早い人遅い人、ヘリコプターでいきなり頂上に着く人さえいると思うんです。スタートラインや、乗ってる乗り物によって、スピードも大変さも違うんですけど、
    結局世の中には、下から頂上まで歩く人も入るんですから、(私は五合めまでタクシーにのった。)途中それぞれ、スピードも方法も変わりますが(留学したり、)結局最後まで歩いても頂上行けますので、めげずにがんばりましょう。
    (めげた経験者より)

  2. なな のコメント:

    私の方は、コメントなしですが、…..
    (いいです。これくらいで、めげる私ではありません。)
    語学に関する一般的な認識ですが、
    日本の有名私立や国立大学合格の水準の
    読解力があれば、海外留学した場合(nativeの環境にいれば)、約1年で
    listening&spekakingは、できるように
    なると、普通言われていると思います。
    いずれにしろ、読解力が、英語の基礎だと、……….外国でも認識されていると思うのですが、………
    わたし最近見つけた、箇所なんですけど、養老先生の「運のつき」P 70で、
    しゃべる訓練が必要で、特に日本語は
    読み書きに特化した特殊な言語だと、
    いう、主張は、私としては、うーん、
    本当みたいって、感じました。

  3. White のコメント:

    >ななさん
    す、すみません。コメント忘れてしまったようです…
    まぁ一応ある程度の読み書きは出来て、何とか論文も読める程度であれば、おそらく留学すれば出来るようになる…のだとは思いますが…
    日本にいる限りはリスニングもスピーキングもあまり上達しないような気がします。
    僕は、好きなピアニストの英語のインタビューなんかを良く聞いているのですが、やっぱり自分の好きなものだと何とか聞き取りたい気持ちになりますね。でも未だに聞き取れないのですが…

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