SIGGRAPH 最終日

SIGGRAPH 5日目。今日が最終日でした。

今日も朝一のセッションから。Technical Papersの解説を聞いてきました。

Constraints, Collisions, and Clarinets

動きの物理シミュレーションに関する論文が並ぶセッションです。
昨日と同じく、数式の細かい意味が全く理解できないのが辛いところではありますが、物理シミュレーションは結果のCG映像を見れば雰囲気がわかるため、それだけでもとても面白いです。

最初の
Stable Constrained Dynamics
は、制約条件を工夫して、紙のようなある程度硬い薄いものを安定的に動かせるシミュレーション方法についてでした(…だと思います、たぶん…)。

我々のお目当ては、2番目の論文
Air Meshes for Robust Collision Handling
でした。

Position Based Dynamicsを発表されたMatthias Mueller-Fischer氏による新しい手法。Mueller氏ご本人を拝むことが出来ました。衝突判定を高速に行うために、メッシュ同士のめり込みを計算する…のではなく、メッシュ間の空気の部分にも透明のメッシュがあるということにして計算すると良いのでは、と、超ざっくり言うとたぶんそんな感じで間違いないと思います。

まだまだ課題や改良点が多いようですが、アイディアとしてはとても面白いものでした。

その後は、Blu Sky Studiosによるスヌーピーの3D版映画のメイキングセッションに行ってきました。

3DCGなのに、手描き2Dの温かみがどこまでも残り、動きも往年のアニメのようなテイストで、キャラクターたちの顔の輪郭や目鼻の配置などがアングルによって全く異なり、3Dで表現するには最も大変な部類だと思い、どう作ったのか疑問だったのですが、やはり基本はマンパワーによる手作業でした。

でもやっぱりここまでやるのはだいぶ凄いなぁ。

午後は、
Modeling and Capturing the Human Body for Rendering, Health, and Visualization

というセミナーに出てきました。
CG業界の超有名研究者、Hao Li先生のご尊顔を拝することが出来ました。CGの幅広い分野について本当によくご存じだなぁ、と。

Hao Li先生に引き続き、MITの学生さんたちによる発表もあったのですが、うーん、なんだろう、別にMITだからといって何でも全て、MITでしか出来ないような超ぶっとんだ研究をしている、というわけでは無さそうだなぁーとか思ってしまいました。

と、いうわけで、5日間のSIGGRAPHへの参加が全て終わりました。最新のCG研究、CG応用の動向を、かいつまんで理解できたように思います。

何気に私は国際学会はこれが初めてだったのですが、「日本人は英語出来ないんだよね」とよく言われるのがそのまま自分に当てはまってしまいました。
質問によっては相手の速度についていけるしそれなりに返答も出来るのですが、人によっては速さが同じはずなのに全然わからなかったり、こちらから誰かに話しかけることは全く出来なかったり。日本人あるある、です。

ここは大きく反省。しかし逆に言えば、国際学会を有意義に過ごすための英語レベルというものを初めて実感でき、今後どの程度まで力を伸ばさなければいけないのかがとてもよくわかったような気が致します。

来年以降、SIGGRAPHに来ることはあるのかなぁ。もちろん、何かで受賞したり論文が通るなどして再び来られればうれしい限りなのですが!

最後に、8/10のComputer Animation Festival授賞式の公式写真が公開されておりました!

Computer Animation Festival at SIGGRAPH 2015

向かって左から、UT-Heartのシミュレーション開発チームを代表して、假屋太郎先生、UT-Heartのビジュアリゼーション(可視化)メンバーを代表して私、そして、今回のFestivalのCo-chairsであるJoe Takai氏。とても貴重な写真です!


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